デマと戦う!プラズマクラスターは新型コロナに効果なし!

社会
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2020年9月7日に衝撃の発表がされた。内容としてはSHARPが開発した「プラズマクラスター」によって新型コロナウイルスの感染価が90%以上減少するという内容だ。

既に多くのメディアがSHARPの言われるまま報じている。以下が事例となる。

 シャープは7日、同社の独自技術であるプラズマクラスターに空気中に浮遊する新型コロナウイルスの数を減少させる効果があると発表した。エアコンや空気清浄機に活用している技術で、プラズマクラスターイオンを実験容器に入ったウイルスに約30秒当てたところ、ウイルスの数が91.3%減少したという。

時事通信社「空気中のコロナが減少 プラズマクラスターで―シャープ」より引用

では、専門家でもない弱小匿名ブログがさっそくファクトチェックしていく。

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実験空間は3L

まず、SHARPの公式リリースを見ていただきたい。以下がリンクとなる。

 シャープは、長崎大学感染症共同研究拠点 安田二朗教授(兼 熱帯医学研究所教授)、同研究拠点 南保明日香教授(日本ウイルス学会理事)、および島根大学医学部 吉山裕規教授(日本ウイルス学会理事)と共同でプラズマクラスター技術搭載ウイルス試験装置を作成し、感染症研究の世界的権威である長崎大学の協力の下、空気中に浮遊する「新型コロナウイルス」にプラズマクラスターイオンを約30秒照射※3することにより、感染価※4が90%以上減少することを世界で初めて実証しました。

SHARP「世界初※1、プラズマクラスター技術で、空気中に浮遊する「新型コロナウイルス※2」の減少効果を実証」より引用

確かに90%以上減少することが書かれている。しかし、こういったリリースを見るのに重要なのは「実験をした条件」だ。

ほとんどの人が読み飛ばす実験条件は以下の通りになる。

  • 密閉された3Lの空間
  • プラズマクラスター発生装置の濃度 1000万個/cm3

3Lという小ささはイメージしにくいと思うので、立方センチメートルに変えてみよう。小中学校で習う簡単な科学だ。 1Lとは1000cm3と習ったはず。

1L=1000cm3 10cm×10cm×10cm=1000cm3の事であり

3L=3000cm3 10cm×10cm×30cm=3000cm3の事。

つまり3Lの実験空間とは、縦10cm、横10cm、高さ30cm(順不同)の物凄い小さな空間である事がわかる。

濃度は市販の200倍

さきほど、実験条件にもあった通りプラズマクラスターの発生量は1000万個/1cm3だ。

しかし、一般的に市販されているプラズマクラスター発生装置は5万個/1cm3で発生量も200倍も違う。但し1.2m離れての値であり、コロナにおけるプラズマクラスター発生装置と実験空間の距離が報じられていない以上単純に比較できない。

プラズマクラスターは自然界に存在するのと同じ + と - のイオン。 濃度を高めても安全性が確認された、シャープ独自の技術です。50,000個/cm³までイオン濃度を高めることにより、空気浄化力の向上に加え、新たな効果を実証しました。

SHARP「空気浄化」より引用

これだけ小さな空間、かつ民間レベルでは発生させることができないプラズマクラスターの発生量でしか統計上有意な差が観測できない以上、プラズマクラスターは実空間において全く効果がないと言っても差し支えないと思う。

にもかかわらずSHARPはこのように発表している.

SHARP「世界初※1、プラズマクラスター技術で、空気中に浮遊する「新型コロナウイルス※2」の減少効果を実証」

今後の検証も何も明らかなだろう。プラズマクラスターに医学的根拠はない。

相変わらず目の付け所がSHARPだ。詐欺的な誇大広告を繰り返すSHARP製品は二度と買わない。値段も高いし。

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コメント

  1. yasu より:

    空間除菌については消費者庁はしっかり検証すべきですし、不当表示で取り締まるべきです。
    これは密閉空間云々と小さく表示すれば許されるという問題もありますので、マスコミも何が有効か報じるべきです。
    真に受けた消費者は被害者ですし、税金で公共施設に導入されてはたまったものではありません。

    • AIKAWA より:

      マスコミは利害関係があるので厳しいでしょう。以前にも消費者庁が勧告を出していますが、全くと言っていいほど報じられてはいませんでした。

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