ソーシャルレンディングを私も行っていましたが、昨今のソーシャルレンディングにおける状況の変化、いやリスクが顕在化しただけですね。元々良く考えればわかったはずなのに、そこを高い「期待利回り」に釣られて、見ないフリをしていたのでしょう…私のような被害者を更に増加させない為に、「注意喚起」として今回の記事を書かせて頂きたいと思います。
今日は本来更新するつもりはなかったんですが….早い段階で注意喚起をする必要があると感じたためです。
ソーシャルレンディングとは
ソーシャルレンディングについて、知らない方が多いと思うので、ソーシャルレンディングがどういったものであるのかを先に説明します。
ソーシャルレンディングとは、銀行で借りることができない個人や企業に対して、お金を貸すというシステムです。銀行で借りることが出来ないということは、信用スコアが低い不健全な事業者ということになります。
そのため高い利回りが期待できる仕組みになっているんですね。別の言葉で言えば、リーマン・ショックの原因である「サブプライムローン」といえますね。
決してミドルリスク・ミドルリターンではありません。ハイリスク・ハイリターンな投資手段が「ソーシャルレンディング」です。
ソーシャルレンディングにおける詐欺の実態
ソーシャルレンディングの実態として、詐欺を行う事業者が大量に参入しているという現状があります。以下の事例を示しておきます。どれもサービス開始時に「ミドルリスク・ミドルリターン」であると大手のブロガーや私のような弱小ブロガーがオススメしていた事業者になります。
無論、一部の事業者が詐欺を行う事はよくあるケースですが、そもそもソーシャルレンディングの事業者は20社程度(プラットフォーム型も含んでも)と数が限られている中で、4つの事業者がこういった事を行っているという点でいえば、比率としては詐欺に用いられているケースが非常に多いと言わざるを得ません。
詐欺に合えば一発アウトです。
みんなのクレジット 97%の損失(2017年)
みんクレからグループ企業へ融資された資金は、不動産事業の収益から返済するとしていたが、実際は償還期限が到来していない他のファンドで集めた資金を充当していた。さらに、「キャッシュバックキャンペーン」と称して顧客に還元していた現金は、実際は関連企業に貸し付けた資金が還流されていたことも明らかとなった。
また、創業者の白石伸生・元代表取締役が、集めた資金を自身の借入返済等に充てていたことも発覚するなど、類を見ない杜撰な実態が白日の下にさらされた。同庁の検査結果では「ファンドからグループ企業への貸付金は返済が滞る可能性が高い」と結論付けられた。未償還の投資金は単純計算で3%に減額され、みんクレの投資家への債務は消えることになる。
ラッキーバンク 約7割の損失(2018年)
同社は昨年3月に金融庁の行政処分を受けた。集めた資金の多くを親族の会社に流したり、返済困難と認識しながら投資を募ったりしたと指摘され、投資の募集内容が誤解を与えるとも認定された。
同社は累計155億円を投資家から集めたが、元本ベースで30億円超を返済しなかった。
業界NO.1のmaneo及びmaneoファミリー(2018年)
グリーンインフラレンディング(2018年)
しかし、募集を行ったファンドにおいて、ファンドごとの分別管理が出来ていないために説明していた内容と異なる事業に対して貸出しが行われていました。またグリーンインフラレンディングの最終貸付先のJCサービスは、希望の党細野豪志議員に、投資家の出資金の一部を返済済みとはいえ貸出したと見られています。更には太陽光発電事業の際補助金を環境省から騙し取ったと見られ、補助金と罰金の返済が求められています。
今後ソーシャルレンディングは衰退へと向かっていくなぜ衰退の流れなのか 透明性がない ソーシャルレンディングは賃金業法の関係もあり、情報を開示することができません。またファンドの複数貸付化が求められており、関係会社に対して投資していることは珍しくありません。その結果場合によっては変...
ガイアファンディング(2018年)
グリーンインフラレンディング不正融資事件による業務改善命令の影響でリファナンス(借り換え)基準の厳格化。大量遅滞を生んでしまう。
キャッシュフローファイナンス(2018年)
グリーンインフラレンディング不正融資事件による業務改善命令の影響でリファナンス(借り換え)基準の厳格化。大量遅滞を生んでしまう。
maneo(2018年)
グリーンインフラレンディング不正融資事件による業務改善命令の影響でリファナンス(借り換え)基準の厳格化。大量遅滞を生んでしまう。
SBIソーシャルレンディング(2018年)
弊社がお客様から出資をしていただいた資金を融資することで運用をしているファンドのうち、下記のファンドの一部の借手から、2018年7月2日を期日とする利息の支払がなされておりません。
SBIソーシャルレンディング「一部の借手からの利息の支払がなされないことに伴う分配不能のお知らせ」より引用と強調
2018年7月の延滞発生時においては、債務者との連絡がつかない状態であったことから、一刻も早い債権回収と投資家への出資金償還を図るため、速やかに担保不動産の競売申立てを行い、併せてサービサーへの債権譲渡の検討も開始いたしました。
その後、債務者と連絡がついたため、今後の弁済に関する方針について改めて検討を行った結果、競売の取下げは行わず、年末を期限として、担保不動産の任意売却による元本相当額以上での回収にも尽力することといたしました
SBIソーシャルレンディング「<進捗5>SBISL不動産バイヤーズローンファンドの延滞債権の回収について」より引用と強調
財務省出身が多く居たトラストレンディング(2018年)
証券取引等監視委員会は22日、インターネットで資金調達を行うソーシャルレンディングという手法を展開する「トラストレンディング」の運営会社、「エーアイトラスト」(東京都港区)が虚偽の表示で金融商品の勧誘をしたとして、金融商品取引法に基づき、行政処分を行うよう金融庁に勧告した。
延べ1万2500人から集めた52億円のうち15億円が同社取締役の男性側に流出していたことも判明した。
監視委によると、基金を募集する際、高速道路事業を受注する業者に貸し付けを行うことをうたったが、業者は実際には工事を受注していないなど、複数の基金で虚偽や誤解を生む表示があった。
ソーシャルレンディングのリスクとリターンを正常に判断せよ。
そもそもソーシャルレンディングというのは、銀行から借りれない個人や企業に対して貸し付けることによって8%~13%の高い利回りを得るハイリスク・ハイリターンの投資で、リスクとリターンが見合っている投資方法でした。だからあの当時においては進める価値があったんですね。しかし、その実態は詐欺目的で出資を募る業者ばかりであると…
こういった時代の流れによって、オーナーズブックのような上場企業がプラットフォームを提供したり、或いは「Funds」のように上場企業への貸付先に限定するソーシャルレンディングサービスも出てきて、今度は低い利回りのソーシャルレンディングを大手ブロガーや私のような弱小ブロガーがオススメするようになりました。その代りにリターンは1%~4%であると。
だがちょっとまってほしい(朝日論法)。4%リターンを得るのであれば、個別株投資だって良いのでは?
インカムゲインでリターンを得るのであれば、私が以前紹介した上場インフラファンドは期待利回り7.4%ですよ?(宣伝)

所詮はオーナーズブックの最終貸付先も、クソザコ事業者なんです。
同じ上場企業が運営しているSBIソーシャルレンディングでは、最終貸付先と連絡が取れないという事態まで発生しました。ここから見ても、SBIソーシャルレンディング側がパーフェクトに行っていても、最終貸付先はクソ雑魚事業者であることが分かります。
またSBIソーシャルレンディングは不動産評価額の80%で貸し付けているにも関わらず、元本割れを引き起こしてしまっています。物件の不動産評価額ってあまり参考にはなりませんよね?
最終貸付先の匿名化により投資家が個々の貸付先がどのような会社かも知ることが出来ません。
Fundsも運営は上場企業ではないんです。そこを忘れてはいけません。
どのソーシャルレンディングも上場企業より、リスクが高いと見るべきです。それなのにリターンは株式未満。これ意味ある?
健全な事業者とは、一に、リスク≦リターンであること、二に、詐欺行為を行わない事業者だと思っているので、ここの観点から健全な事業者はいないと表題にしました。
ソーシャルレンディングからは可及的速やかに撤退せよ
期待利回り8%~13%のリターンを得る上で、負担しなければならないリスクは、想像以上であることが分かりました。またそれ以下の期待利回りで考えれば、上場企業株式とリターンが同じなのにも関わらず、株式以上のリスクを負担しなくてはなりません。
よってソーシャルレンディングからは速やかに撤退すべきです。またソーシャルレンディングをオススメしていたブロガーも、これ以上の被害者を増やさないために、「ソーシャルレンディングはリスクとリターンが見合わない投資手段である」旨を周知する事に、全力を尽くす事が必要でしょう。
コメント
SLから借りるケースとして短期で機動的な資金需要や不動産シニアローン以外の本来自己資金を利用する部分の代替として借りる等、銀行から借りれない企業に対して貸し付けるケースだけではありませんし元本が変動する株式投資やREITと比較するのもナンセンスかと思います。
失礼ながら高利回りだけに目が行って業者や案件の精査が不十分なまま投資を行っただけのような気がしますしもう少し投資について勉強された方が良いと思います。
約4年間SL投資をしていますが一度も期失、デフォルト共ありません。
『失礼ながら高利回りだけに目が行って業者や案件の精査が不十分なまま投資を行っただけのような気がしますしもう少し投資について勉強された方が良いと思います。』
厳しいご指摘ありがとうございます。貴方の仰るとおりだと思います。しっかりと勉強をしていれば、ソーシャルレンディングというリスクの高い投資には手を出さなかったと思います。もし戻れるのであれば、株式・REITだけにしておけと怒りたいというのが正直なところです。
ここからは、SL投資家さんが思っていることに対しての反論です。ソーシャルレンディングは元本の変動しない投資ではありません。昨今のソーシャルレンディング市場の状況を見ましても「遅滞やデフォルト」が相次いでいます。そこから考えても株式やREITと比べても、リスクの高い投資であると見ています。
そもそも、ソーシャルレンディングは「匿名化指導」によって、個々の案件について投資家は調べることができません。あくまでもその事業者が「健全に運営してくれる」との「信頼」だけが投資判断となっています。そして『短期で機動的な資金需要や不動産シニアローン以外の本来自己資金を利用する部分の代替として借りる』という魔法の言葉の合わせ技によって全て募集されているのが現状であると考えています。maneo、みんなのクレジット、トラストレンディング、ラッキーバンクもそうでしたね。
SL投資家さんが4年間一度も、期失やデフォルトがなかったのは、運が良かっただけとしか思えません。もしSL投資家さんが実施をしていた個々の案件や事業者を選定した方法についてご教授いただければ幸いです。
事業者はLCレンディングのみで今は半年程度の期間のものにしています。
よくよく調べて他の業者や案件と違いほぼリスク無しと判断したのが理由ですし運が良かっただけとも思いません。
分散投資は投資の基本ですが事SLについては現在の状況では分散はリスクが大きくなるだけですので今のところ他に分散するつもりはありません。
ここで選定理由を書くと長くなってしまいますのでよろしければ親会社の情報やSLを行っている理由等調べてみて下さい。
確かにLCレンディングの場合、上場企業であるLCホールディングスが債務不履行の場合保証してくれるため、ソーシャルレンディングでどうしても投資したいという方には、お勧めできるのかもしれません。しかし、個々案件に対して精査できないこと(業者に対する信用度での判断になる)、NISAによる非課税にならないことを理由に撤退の意思は揺るぎません。不動産特定共同事業法によるクラウドファンディングにLCが参入し、保証が付いているのであれば、参入させていただこうと思います。
貴重な情報提供ありがとうございました。